ニカワ

膠(ニカワ)とは

膠(ニカワ)とは

膠の歴史は古く、古代エジプトのその起源を発し、主に、接着剤として使用されていました。 
日本では、倭名類聚抄に(承平年間<源順:931-938>)「本草云煮牛皮作之、出東阿故日東阿膠也」と膠の基本的な製法、つまり、「煮皮(皮を煮る」と記されています。
また、ここには中国の膠「阿膠」についても書かれています。「阿膠」とは、中国古来の薬です。

膠の用途

古くから主に接着剤として使用されることが多く、絵画・墨・木製の楽器・製本・貼箱・CDのジャケット・紙器・マッチ・サンドペーパー・など生活に関わる色々な部分で使われています。

  • 墨
  • 楽器
  • 紙器
  • マッチ

ゼラチンと膠

ゼラチンと膠

ゼラチン(Gelatin)は、動物の皮膚や骨、腱などの結合組織の主成分であるコラーゲンに熱を加え、抽出したもので、タンパク質を主成分としています。

ゲル化剤としてゼリーなどの食品に用いられるほか、工業製品にも利用されています。
化学的には、コラーゲン分子の三重螺旋構造が熱変性によってほどけたものを主成分とする混合物です。

食品や医薬品などに使われる純度の高いものをゼラチン、日本画の画材および工芸品などの接着剤として利用する精製度の低いものを膠(にかわ)と称しています。

膠の製造工程

膠の製造工程

膠の特徴

長所

  • 強力な初期接着力(イニシャルタック):塗布後短時間で高粘性を示し更にゲル化する
  • 乾燥後は、強固な皮膜を形成し接着性を保持します。
  • ゲル(ゼリー)化した「にかわ溶液」は加温により、再度溶解され使用可能です。
  • 特定の改質剤を混ぜて、容易に加工出来ます。

短所

  • にかわは動物性のタンパク質なので、微生物が繁殖しやすく、腐敗により劣化する恐れがあります。
  • 使用時は、加温等の溶解作業が必要です。
  • にかわには耐水性はありません。
    但し、3の耐水性の短所は、古い家具や楽器などを修理する場合、蒸気により、にかわを軟化させ解体しやすいという長所にもなります。

膠の使用方法

1.膨潤

冷水に粉末にかわを浸漬し、充分の吸水・膨潤をさせます。
膨潤時間は、にかわの形状等により異なりますが、通常30-60分間です。
水温については、20℃以下が好ましい。

2.溶解

通常、溶解には湯煎又は蒸気浴を用いて、60℃前後の温度が理想的です。
また、粉末にかわではなく、ゼリータイプのにかわは、そのまま、溶解できて便利です。

POINT:(接着剤として)

夏期(乾きが遅い場合):水を減らし、高濃度で薄く塗布します
冬場(乾きが早い場合):水を増やし、低濃度で厚く塗布します

膠の規格(JISK6503:2001)

項目 1種 2種 3種 4種 5種
水分(%) 16 以下 16 以下 16 以下 16 以下 16 以下
粘度(mPa.s) 8.0 以上 7.0 以上 6.0 以上 5.0 以上 2.0 以上
ゼリー強度(g) 300 以上 250 以上 200 以上 150 以上 50 以上
灰分(%) 4 以下 4 以下 4 以下 4 以下 4 以下
油脂分(%) 1 以下 1 以下 1 以下 1 以下 1 以下
不溶解分(%) 0.5 以下 0.5 以下 0.5 以下 0.5 以下 0.5 以下

膠の試験方法(JISK6503:2001)

1.粘度

1.粘度

ゼラチンを濃度:12.5%に溶解し、右図のような専用のピペット型粘度計で、一定量の溶液の落下時間を測定します。(温度は60℃)
計算式を用いて、落下時間を粘度(mPa・s)に換算します。

2.ゼリー強度

2.ゼリー強度

ゼラチンを濃度:12.5%に溶解し、右図のような専用のゼリーカップに入れ、10℃の恒温槽で17時間冷却します。
テクスチャアナライザーという測定器で、ゼリーに荷重を掛けゼリー表面が、4(mm)押し下げられた時の重さを、ゼリー強度としています。

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